Nike Man ～LL. Cool J のボディーを目指して～ Season3

■ ウェイトリフティング+プロテイン=薄毛まったなし

　ウェイトリフティングとプロテイン飲料を組み合わせますと、体内のテストステロンとジヒドロテストステロン（DHT）というハゲの主要な原因と考えられている男性ホルモンが増加いたします。
　DHTは、テストステロンが変換されたもので、自然に産生される物質でありますが、男性の毛乳頭細胞の受容体に結合し、髪の成長に不可欠な栄養分の吸収を阻害してしまいます。すると徐々に毛包が縮小し、いずれは死んでしまいます。

　これがジム通いに熱心な男性が、自らの薄毛を早めているメカニズムです。

　イギリス・ロンドンでクリニックを持つ髪の移植・修復手術の世界的権威、ソミー・クレマダ＝ジオガ氏によりますと、プロテイン飲料には、クレアチンやDHEAといった成長ホルモンが含まれており、筋肉密度を増加させるだけでなく、血中のテストステロン濃度まで上昇させてしまうということです。

　なお、ウェイトリフティングの代わりに有酸素運動を行い、プロテイン飲料を止めれば、その悪影響を回避できるそうです。

　しかし、こうした事実を知る人はそれほど多くなく、ジム通いの男性は頭髪がかなり薄くなるまで、薄毛が進行していることに気がつくこともありません。




■ 現在の薄毛治療法はそれほど多くない

　残念ながら、今のところ薄毛を治療する方法はそれほど多く存在しません。臨床試験によってその効果が実証されているのは、ミノキシジルとフィナステリドだけです。
　9割以上の薄毛治療にミノキシジルが使用されておりますが、これは元々高血圧治療薬として開発されたものです。早期に使用すれば、薄毛の進行を遅らせる効果があります。ただし、その効果は新しい毛の成長を助けるよりも、抜け毛を抑えるというものです。

　一方のフィナステリドは、錠剤で、5α-レダクターゼを阻害し、DHTの産生を減少させます。こちらも、薄毛治療のために開発されたものではなく、DHTが原因とされる前立腺肥大の治療薬として登場しました。

　しかし、薄毛の進行を止めるだけでなく、毛髪の成長を助け、それまでよりもしっかりとした髪の毛が蘇ります。副作用として、慢性的な性的不能などが発症することもありますが、製造元であるメルク社によりますと、それは全体の2％だけだそうです。


　こうした薬剤による治療のほか、毛髪の移植も普及し始めています。これは、髪の毛が十分に残っている部分の頭髪を、薄毛が進行してしまった部分へ移植するというものです。

　移植手術は、40年以上前から実施されていますが、現在では大きく改良が加えられています。その速度から、今や”ランチタイム”毛髪移植と呼ばれているそうです。

　また、腕から採取した血液を遠心分離器にかけて、栄養豊富な血小板を単離し、これを頭皮に注射して毛髪の成長を促進するという方法もあります。
　ということで、筋肉トレーニングから薄毛治療の話へとスライドしてしまいましたが、筋肉と髪の毛の両方を手に入れるということは難しそうなので、自分にとっての優先順位を決め、やっぱり髪が大事という方の場合には、プロテイン飲料を飲まずに、有酸素運動にシフトしたほうがよさそうです。



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